PR

機動隊~いろいろ種類がある

警察の組織

機動隊といっても実はいろいろと種類があります。

警備部機動隊

都道府県警内の常設専門機動隊です。
県機(けんき)って呼んでいました。
身体能力に優れた人が多く,柔道や剣道の特練もここに所属しています。
ケンカをしようとは思えない人たちばかりです。

新隊員訓練は厳しいけれど

県機経験者の話では,配属されたときに行われる新隊員訓練が一番きついそうです。
私も訓練の様子を見たことがあるのですが,警察学校初任科のようにそれまでの殻を一度壊す作業をしているようで,精神的にかなり追い込む訓練が1か月間ずっと続くみたいです。

参考記事

ただそれが終わったら後は天国だとも言っていました。
後述する管区機動隊のように任期もありませんから,長くいる人は本当にずっと県機にいます。

扱う装備が手広い

NBC対策や爆発物処理など機動隊系の変わった装備もここが扱っています。
いろんなものを扱っていますし,普段はヒマなので潜水や重機関係などいろんな資格も取れるみたいです。

またヘリによる救助に当たる人をレンジャー隊員というのですが,レンジャーになる訓練も見ていて実にきつそうでした。
仕上げは陸自のレンジャー課程に行くそうですし。

県の規模が大きいと対テロ部隊のSATとかもあるみたいですが,私のいた県にはSATはありませんでした。

管区機動隊

各地方に設けられた管区ごとに編成される機動隊です。

略して管機(かんき)。
管区内の各県から規模に応じて人を出します。
例えば大きな県は丸々1個大隊を編成しますが,小さな県だとそんなに人数を出せないのでいくつかの県が集まって大隊を編成するなどしています。

昔はほぼみんなが行っていたけど

昔は警察学校を卒業してしばらくすると,ほぼ行かなければならない修行の道だったそうなのですが,私が採用されたころから警察官の採用人数がかなり増えたため,私の世代では行かない人の方が主流になりました。

でも今になって考えると行った方がよかったかもなとも思います。
初任科の同期のように管機同期というのもできたりするようなので。

普段の業務

普段は大きな署に特別警ら隊という名前で配属されています。
略して「特ら(とくら)」と呼んでいました。

刑事とか交通のように具体的な仕事があるわけではないので,何でも屋みたいなことをしていました。
人が足りない部署に応援に行ったり,連続発生している事件があればよう撃要員になったり。
幹部がアレだとつまらない事案でも「とりあえず特らは召集」と真っ先に呼出しがかかることが多く悲惨です。

管機の任期は2年で,1年目は上記のような何でも屋なのですが,2年目は各専務へ配属されて特ら隊員兼○○課員みたいな感じになります。
2年の任期が終わると共にそのままその専務へスライドすることもあります。

訓練や出動

訓練は月に1回自県で訓練をして,年に2回管区警察学校に各県が集合して訓練をしているようでした。
訓練はかなりきついようで,管機の訓練が一番しんどいのではないでしょうか。

そして県外で大規模警備があったり,災害が発生したりすると真っ先に派遣されます。
ですから年によっては全然署にいないこともあります。

第二機動隊

略して「二機(にき)」って呼んでいました。
警視庁の第二機動隊とはまったく性質が異なり,私のいた県の二機は予備の機動隊です。
県機や管機だけでは人が足りない時に初めてお呼びがかかります。

署規模に応じて各署から人を出して編成されています。
ですから普段は各署の署員として仕事をして,訓練や出動の時だけ機動隊員をやるという感じ。

訓練は月1でありますが特にきつくはありません。
夏の暑いときはちょっとしんどいかなという程度。
出動も年に数回あればいい方です。

警察官をやっていれば何度かは経験することが多く,私も巡査と警部補の時にそれぞれ1回ずつ経験しました。

第三機動隊

略して「三機(さんき)」。
二機のさらに予備部隊で月1の訓練すらありません。
ほぼ名簿だけの部隊ですが,大規模警備などで年に1回か2回は出番があります。
三機になると年配者も増え,大丈夫かなあという感じになります。

空警隊(くうけいたい)

千葉にある成田空港警備隊なのですが,全国から人を集めて編成しており,管機への希望調査が行われる時に空警隊への希望調査も合わせてあります。
これも任期は2年だったと思います。

2019年度から規模が2/3に縮小されたみたいですね。
私のいた県からの派遣はどうなったのだろう?

https://www.asahi.com/articles/ASLDD3CT6LDDUTIL00C.html

コメント