昇任試験~人生いろいろ

警察の階級や身分

昇任試験とは

警察官には階級があります。

ノンキャリ警察官が昇任するには昇任試験を突破しなければいけません。
試験は警視まで・・・だと思います。多分。
警視正試験は聞いたことがないので。

なお昇任試験の受験資格がある人はみんな必ず受けなければならず,受けないという選択肢はありませんでした。
ちなみに私の巡査部長昇任試験の一次試験日の未明に子供が生まれたのですが,年休を取らせてくれと言ったらダメだと言われました。
通常であれば堂々と年休が取れるイベントなのに,この昇任試験に対する並々ならぬ圧力はよく分かりません。

昇任試験の内容

予備試験で足切りされた後に,一次試験+二次試験+勤務評定等の点数合計で合格が決まります。

予備試験

5択や○×のSA試験です。
前述のとおり受験資格がある人はみんな昇任試験を受けないといけないのですが,それだと人が多すぎるのでこれで足切りします。
そんなことなら最初から志願者だけが受けるようにすればいいのに・・・

足切りなので受験資格者がそもそも少ない警視試験ではSAはありません。

一次試験

記述試験です。
配点が大きいので警部補以下はこの出来映え如何で受かるかどうかがほぼ決まります。

内容は憲法行政法,刑法刑訴法といった法学と刑事,生安,地域,交通,警備といった実務科目がありました。
一日中カリカリ書き続けるのでなかなか疲れます。

試験の内容は階級が上になるにつれて抽象的なマネージメント的なものに変化していきます。
そうはいっても骨子となる部分は巡査部長試験も警部試験もそれほど変わりません。

二次試験

一次試験に受かるとけん銃,総合術科,点検教練といった術科や面接の試験があります。
途中から通信指令も試験に増えました。

けん銃

的当てではなくて映像シミュレーションで射撃判断などを問われるものです。
映像自体はプロジェクターで映し出されて,実物のけん銃にレーザー弾を入れてそれでけん銃を撃つとスクリーン上に弾着がプロットされて当たり判定がなされるというなかなかよくできたものです。
ちゃんと当たれば言うことはありませんが,当たらなくても射撃判断とかタイミングがしっかりしていればそんなに減点されないみたいです。

端から見ていると映像に向かって叫んだりわめいたりけん銃を空撃ちしたりしているアレな人ですが,実際にやると勉強にはなります。

総合術科

主に逮捕術的なことをします。
仮想部下(試験会場に用意されている)に刺股などの資機材の使い方を教えた後に一緒に現場へ行って暴れる被疑者を連携して制圧する等といった内容。
細かく指示しないと部下がまったく動いてくれないなどけっこう意地悪なことをされることが多かったです。

点検教練

警察学校で死ぬほどやらされるアレですが,昇任試験の時は動かされる方ではなくて指揮する方をやります。
巡査部長試験の時は分隊長,警部補試験の時は小隊長と,部隊の規模は大きくなりますがやることはまったく同じです。

点検教練については下記記事参照

後述のとおり配点は大したことないのですが,自分に突き刺さってくる視線が多いので一番緊張します。
特にあまり課題として出てこない「携帯品を出せ」や「きょう導を出しての整頓要領」とかが出ると一瞬でアウアウになります。

通信指令

当直員という想定で現場に対してどのような指示をしていくか,というのを実際に無線や警電を使いながらやってみる試験です。
想定が抽象的でどこまでやればいいのかよく分からないことが多かったです。

面接

今までの術科系は配点が極めて少なく,どれも緊張はしますがミスをしても実は大したことはありません。一応やりますみたいな感じ。

その一方で二次試験で配点が大きいのが面接です。
とはいっても「なぜ昇任したいのか」「昇任したらどんな巡査部長になるか」などありきたりなことが聞かれるので,ちゃんと答えられるようにしておかないといけないです。

面接官が自分の知っている人だとラッキーですが,自分のことを嫌っている人なんかに当たると「チーン」って感じです。

プラスα

勤務評定などがこれにプラスされます。
階級が上がるにつれて勤務評定の比重も上がるので,警部試験あたりから記述試験だけでは受からない見えざる力が働くようになります。

あと柔道の段位とか鑑識検定とか各種資格があれば若干プラスですが,本当に若干です。

例外

今まで説明したのは一般試験で,これに受からなくて何年か経つと専門試験というものに変わります。
専門試験になると一次試験の実務科目が1つだけになるので受かりやすくなります。

さらに年数を経るとちょっとした記述と面接でOKな試験もありますが,かなりのベテランにならないと受けられません。

受かるためには

勉強とは言っても実務科目は日々真面目に仕事をしていれば知っているようなことが多いですし,刑法刑訴も同様です。
憲法行政は普段の業務からは少し離れたことが出ることが多いので,それを勉強するくらいの感じではないかと思います。

ですから昇任試験だからといってそこまでガリガリ勉強をしなければならないという感じではありません。
たまに仕事もそこそこに昇任試験の勉強ばっかりしている人がいますが,概してアレな人が多いように感じます。

まとめ~人それぞれ

階級や給料の項でお話ししたように警察って階級が上がっても給料はさほどよくなりません。

でも昇任すると責任はしっかり増しますし,業務内容も管理的なものが増えてくるので人によっては昇任できる能力があっても昇任しない人はたくさんいます。
現場に出るのが好きだからとか管理職にはなりたくないとか三交替がいいからとか。

私は特に明確な目標もなく警部補になったので,昇任後は正直後悔しました。
巡査部長でひょうひょうと捜査でもやっている方が楽しかったですね。
人それぞれの考えが出てくるところで,面白い部分でもあります。

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