事件の報道なんかでよく使われている言葉の中には,警察内部では絶対使わないような用語がいくつかあるので,そのいくつかを挙げてみます。
よく使う用語については下記を参照。
送検
送致っていいます。
警察官で送検って言ってるのは聞いたことがありません。
強制は身柄付送致,任意は任意送致または書類送致。
どこから出てきた言葉なんでしょうね。
容疑者
警察でも使いますが意味合いが違います。
報道で使われている「容疑者」は,警察では「被疑者(ひぎしゃ)」といいます。
逮捕しても被疑者,任意で取り調べても被疑者です。
ですから,ちょっと前に話題になった「山口達也メンバー」は,なんでそんなことにこだわっているのか不思議です。
任意でも被疑者なんだから被疑者にすればいいのにって思います。

この記事でも「任意事件は強制事件(逮捕事件)と比べて処分が軽いことがあり,人権配慮の観点から「容疑者」を使わない」とあるのですが,それは違うよなあと。
どっちも疑いをかけられていて警察で捜査をしている状態で,逮捕されているか在宅かというだけの違いだけで,差異はないはずなのですが。
「容疑者」も使わないことはないですが,使うとすれば容疑があるけど被疑者に至らない,といった意味合いで使っていると思います。
明確な定義はなく,他県では意味合いが異なるかもしれませんが,私は被疑者より軽い意味で使っていました。
現場検証
使いません。「(実況)見分」か「検証」です。
違いは見分が任意捜査で検証は強制捜査として行うというだけで,やってる内容は全く一緒です。殺人などの大きな事件では令状を取って検証でやることが多いですが,あまり多くはなく圧倒的に見分の方が多いです。
家宅捜索
「捜索」とは言いますが,「家宅」はつけません。
そういえば私が警察学校出たばかりで職場実習中の時,同期が実習日誌に「家宅捜索」と書いて,指導員に「マスコミかお前は!」と怒られていたのを思い出しました。
まとめ
「送検」とか誰も使ってないし「容疑者」もその解釈がややこしそうなので,警察用語に合わせればいいのになあとニュースを見るたびに思います。
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