自動車警ら隊について~その仕事や実態など

警察の組織

テレビなんかでよく出てくるので知名度の高い自動車警ら隊(略して自ら隊)について話します。

どんな部署?

都道府県によって機動警ら隊などと多少呼び名が違ったりするみたいですが,その中身は本部のパトカー部隊です。
交番や署のパトカーと同様に三交替で勤務しています。

参考記事

本部ですから署のような管轄というのはなく,基本的に県内どこでもいきます。
普段は事案の多いところを警らしていることが多いです。
県内系を聞いて,応援が必要っぽい事案へ臨場して署の応援に当たったり,職質したり。

管轄がない=自分で最後まで処理する事案がないので,上記記事で書いたような非番日に未決事案処理でアップアップする必要はなく,交替時間とほぼ同時に速攻で帰れます。
署のパトカーでは考えられないような素晴らしい待遇。

給料も三交替なので悪くありません。

大きな事案がない時は,ひたすら職質しているようなイメージが強いです。
それくらい職質好きが集まった職人的な部署といえます。
ですからクセの強い人が多いですね。

本部の精鋭パトカー部隊で,事案が発生すると緊急走行で颯爽と臨場,という大変型の良い部署で人気は高いです。
仕事は比較的楽だし,給料いいし,格好もいいしいいことづくめではあります。

が,一方で敵の多い部署でもあります。

問題点

無責任

引継ぎ

先ほどもいいましたが,管轄がないということは責任がない,ということでもあります。

例えば○○署管内で発生した事件は,○○署が検察庁へ送致するなりなんなりして責任を取らないといけません。
自ら隊はその事件へ臨場はできますが,責任はないですし送致する権限もないので,被疑者を職質するなど何かしら捜査をしても○○署へ引き継がないといけません。
つまり彼らは職質などさわりの捜査には携わっても,取調べや裏付けなど核心の捜査はしません。

そういうことを逆手にとって無責任な検挙をしようとする人がしばしばいます。
とりあえず職質して任同して署に引き継げばいいや,みたいな。

彼らは署に引き継げばとりあえず検挙件数になるようなので,けっこう無理をしようとします。
シャブ(覚せい剤)がらみで無罪事件がけっこう多いのは,シャブ関(覚せい剤愛好家)が警察に対抗するプロだという面もありますが,強引な職質が原因であることも一因です。

引き継がれた方は,送致できないような,下手したら無罪事件になるようなものを引き継がれても処置に困るので引継ぎの際はけっこうもめます。
先ほども言いましたように,引き継がれた以上は責任を持って処理しないといけないので。
私も何度煮え湯を飲まされたことか。

急訴現場でも

自ら隊はすぐに緊急走行で現場へ行くので,格好はいいです。
が,実際はすぐに検索と称するドライブに逃げて現場で責任ある仕事をあまりしないですね。
現場ですぐに逮捕できなきゃ(=件数にならなければ)適当にお茶を濁してあとは検索移行っていう人がちらほら見られます。

この辺も件数主義の弊害なのでしょう。

覚せい剤に偏りすぎ

多分全国的な傾向なのでしょうが,私のいた県警でも自ら隊はシャブが大好きで,シャブ関の職質ばっかりしてました。

正直な話,署で初動捜査とか発生モノの処理をしていると職質でシャブ捕まえるとかホントどうでもいい(シャブ関が暴れているとかはもちろん別です)ので,忙しいときに無線で「○○町で現在職質中,応援願う」とか「これより○○署に任同(任意同行する)」とか言われると腹立ってました。県内系聞いてりゃうちが忙しいの分かるだろうによ,ちったあ空気読めよって。

ていうか同じ職質するのなら窃盗多発地域で職質するとかもっと署の役に立つような職質をすればいいのにね。
シャブも確かに捕まえないといけませんが,あそこまでシャブに偏る姿勢が理解できません。

自ら隊で送致すればいいのに

自ら隊もね,本部執行隊といえども高速隊みたいに自分で捜査して自分で送致すりゃいいんですよ。
それならいくらでも職質検挙すればいいです。誰も文句言わないでしょう。
いてもいなくてもたいして変わらない存在なのですから,やらなきゃいけないことがいくらでもある署に迷惑をかけるのは止めて欲しいです。
その点で言えば機捜隊(機動捜査隊)も自ら隊と同様にいてもいなくても大して変わらない存在ではあるのですが,彼らは自ら隊と違って事件が発生すると何かしら捜査を手伝ってくれるので助かっていました。

参考記事

いてもいなくても変わらないような存在でありながら署に迷惑ばっかりかけるとなれば,そりゃあ嫌われても仕方ないでしょう。

まとめ

そんなこんなで後半悪口ばかりになってしまいましたが,刑事部の人はだいたい自ら隊のことが嫌いな人が多いです。
何度か煮え湯を飲まされるとどうしてもそうなってしまいます。

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