なんともよく分からないニュースです。
記事によると「自殺と事件の両面で捜査」とのこと。
このように書かれているときって自殺の可能性が高いけど,断定にまでは至っていないって時によく使われる表現です。
そのため,その後の結論も自殺となることが多いです。
もちろん例外もあって捜査を進めたら他殺でしたっていうケースもありますが。
自殺
自分で胸を刺す
自分で首や胸や腹などを切って自殺する人は意外といます。
そういう現場は大量に血があるので見た目は凄惨です。
私も何度かそういう現場に行ったことがありますが,警察官をやっていても人が死ぬほどの血はそうそう見るものではないので,慣れないうちは内心穏やかではありませんでした。
刺された死体は分かりやすい
でも凄惨さとは裏腹に死体や現場をざっと観察しただけでも
- 現場に第三者がいたこん跡がない
- 争った形跡がない
などといった特徴を見つけやすいので,わりと早い段階で「こりゃ違うね」ってなることが多いです。
水死体や窒息死体よりは数段分かりやすいです。
血がたくさんあるから
現場に第三者がいたこん跡がないというのがなぜ分かりやすいのかというと,現場に大量の血があるからです。
人が死ぬほど血が出たらかなりの血だまりができるので,血だまりの中を歩いた跡などが残ります。
何のこん跡も残さずその場を立ち去るのはかなり難しいです。
防御創があるから
次に争った形跡の有無ですが,刺されて死んだ死体には防御創という特徴的な傷がほぼほぼ見られます。
これは刺された人が本能的に身を守るためにできる傷です。
だいたい手で防ごうとするので,そういうところを中心に傷ができます。
水死体や窒息死体は今挙げたような分かりやすい特徴がないです。
ですから判断にはなかなか苦労します。
でもやはり不思議なこと
それでも不思議なのがなんで登山用の服装?なんでわざわざ有名な山の登山道?というところです。
山好きだからそこで自殺したかったのかもしれませんがよくわからん。
でも自殺する人って想像を絶するような死に方や場所を選ぶことがしばしばあります。
自分で自分を刺して死ぬっていうのも,武士ならともかく常人にはなかなか理解しがたい死に方ですし,農薬飲んで死んだり自ら感電するような仕掛けを作って死ぬ人もいます。
場所にしてもよく分からない山奥で死ぬ人もいれば,人がたくさんいる繁華街のビルの上から飛び降りる人もいたり。
それだけ自殺する間際は異常な精神状態にあるのでしょう。
そう考えればこの例もありうるのかなと感じました。
他殺
一方で他殺はちょっと考えにくいかなあと。
先ほど言ったように刃物による他殺体にはだいたい防御創があります。
防御創はちょっと死体を観察すればすぐ分かるので,この件の死者にもそれがあればこのようなあいまいな報道をされることはなく「殺人の疑いで捜査」になるでしょう。
そもそも人を殺すとしてわざわざ恵那山へ登山している途中に殺すか?という感じです。
一緒に山へ行くような関係ならすぐに足がついてしまうでしょうし,殺すんならもっと分かりにくい場所とか素直に被害者宅を選ぶのではないでしょうか。
あと考えられるのは突発的な殺人ですが,山でそんなこと起こるか?という話です。
町だと通行中にぶつかったとか目が合ったとかささいなもめごとがエスカレートして刺されたり,通り魔に遭うなんてことはたまに発生しますが,山ではさすがにそんなことはないのではないかと。
無差別殺人を企てる輩が日本百名山なんて行かないでしょう。
何をねらってるんだお前は,という感じです。
考えられるとしたら,被害者から登山中に石を落として下にいた犯人が腹を立てて・・・というのならあり得るのかも。かなり苦しいですが。
まとめ
いずれにしても報道の限られた情報ではなんとも言えないのですが,結論が気になる事件ではあります。
コメント