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留置管理~地味に大変だし人気のない仕事

警察の組織

被疑者を逮捕すると警察署や本部にある留置場に留置します。
そこで被疑者の世話をしたりするのが留置管理です。

留置場の中

留置場への入口は施錠された扉で仕切られています。
留置された被疑者(被留置者)を取調べ等で出し入れするときは,この扉のところで捜査員と留置担当者が被疑者を受け渡します。

留置場内には署の規模に応じていくつかの居室(いわゆる檻です)があります。
居室には鍵がかかっているので勝手に出ることはできません。
基本的に雑居ですが,ヤバいやつなどは単独で入れたりすることもあります。

一つの留置場内に成人男と成人女,少年が入っていることもありますが,仕切りなどで顔を合わせることがないようになっています。

罪人ではなくあくまで容疑がかかっている段階なので留置場内は割とゆるいです。
刑務所みたいに日中寝ていたら怒られるとかはありません。
金さえあれば自分で弁当や菓子類などを注文することもできます。

留置管理の仕事~実はかなり忙しい

一日の流れ

日の当たらないところで一日中じっとしているような印象がありますが,実はかなり忙しいらしく日中はほぼ動き回っているので消灯後にならないと落ち着いて書類も書けないそうです。

確かに私がわかる範囲で仕事を書き連ねてみても,まず朝起きたら検室(被留置者が入っている居室内に異常がないか確認すること)やら食事です。
居室からの出入りの際は所持品検査をしないといけませんし,食事や調味料なども各居室へ配膳しないといけないですから忙しい。

日勤が仕事を始める時間になったら取調べや送致(送検)などで被留置者を出したり入れたり。
加えて面会や差入れもありますし,新件(新たに逮捕されて留置される人)も入ってきます。
留置場から出る際は所持品検査に加えて手錠と腰縄をつけないといけないので,それらを付けたり外したりも数が多いと大変です。

そうこうしていると昼食,昼が過ぎるとまた取調べ等で出入りが激しい。
そして夕食,また検室,ようやく消灯と。
確かに忙しいですわこりゃ。

監視しているようで監視されている

被留置者が寝ている時も警察官は起きていないといけませんから勤務は三交替です。
大きな署は四交替だったような気もする。ちょっとあいまいです。
夜に新件が入ってくることも多いので仮眠時間はあまり寝られないそうです。

留置されている被疑者(被留置者)の数に対して警察官の数は圧倒的に少ないので(30~40人収容できるところでも当番の警察官は数人程度),被留置者を監視しているようで逆に監視されているような気分になるそう。
騒いだり要求が多いなど面倒な被疑者が入ってくるとより大変です。

また留置管理の仕事が大変なのはやって当たり前というところです。
他の部署みたいにいい事件を検挙してプラス評価というのは留管ではありえず,逆に何かチョンボがあるとしっかりとマイナス評価はされるのでなかなかモチベーションも上がりません。

護送

被疑者は取調べや送致(送検)などでけっこう出入りがあります。
取調べの時は留置場の出入口で捜査員に引き渡せますが,送致などで外へ出るときなどは留置管理の人が護送もしなければいけません。

大きな県や署だと護送専門の係がいますが,小さなところだとそんなのありません。
護送の時は被護送者の数+1人が必ず必要で留管だけでは対応しきれないことが多く,他の課が応援で補勤につくことも多いです。
私も護送の補勤には何度もつきました。

人気がない

昔は刑事課が留置管理を担当していたそうで,そのころのそれは刑事の登竜門だったそうです。
確かに嫌でも四六時中被疑者の言動を観察できますから,被疑者の心理を勉強するのにはよいですよね。
しかし捜査と留置は分離されるべきという理由で今では警務部門が留置を担当しています。

昔は留管をやれば刑事になれるという道筋がありましたから人気もありましたが,今の留置管理は人気がありません。
あまりに人気がなく業務も大変なので,留置場を2,3年務めたら希望の部署に行かせてくれる傾向はあるのですが,いったん留管の勤務歴がつくと次の異動先でも留管になることが多いです。
留置グセがつく,と言っていました。
希望者がいないから経験者を採用することが多く,そのためさらに人気がなくなるという見事な負のスパイラルに陥っています。

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