クレーマーについて書きます。
本記事におけるクレーマーとは正当な苦情を訴える人のことではなく,いわれのない理由で因縁を付けてくる人のことです。あしからず。
警察は苦情対応がかなり多い
正当な苦情ならいいのだけど・・・
私が勤務していた警察は,人から嫌われるような仕事も多いためか,苦情を受けることがよくありました。
正当な苦情ならこちらもそのように対処するのですが,中にはアレな人もけっこういます。
完全に逝った人だとこちらも門前払いできるのでよいのですが,難しいのが中途半端に逝った人です。
パッと見はまともそうだけどしばらく話をしたらアレって人。
こういう人はある程度まともな分,言葉尻をとらえる才能がバツグンである種のエリートといってよいでしょう。
そういう人に対して下手な対応をすると,今度は論点をそっちにすり替えてさらにエスカレートしていきます。
よくあるのはクレーマーの挑発に乗ってつい感情的になってしまい失言して,今度はそこに文句をつけてくるというものです。
ツイッター上の応酬なんかでもよく見られる現象ですよね。
反論はいくら的確でも反応薄
反論は無駄です。いかに的確でも。
そもそも相手はこちらの揚げ足を取りに来ているのですから議論が成立しないことが多く,まともな反論は意味をなさないですし,的確な反論はむしろ相手をより感情的にさせるだけです。
そしてこちらの反論の隅っこに矛先を変えてくることが多いので,相手が元気なうちはあまりしゃべらない方がよいです。
相手の土俵に乗ってはいけません。
傾聴(と称する半ば放置プレイ)が一番
私がそういう人に対応するときは,とりあえず持久戦に持ち込んでいました。
いろいろ試行錯誤しましたが,一番確実なのはこれかなと。
急がば回れという感じです。
体よく言えば「傾聴」とも言えるのですが,実際はあんまり話を聞いておらず,夕飯のこととか次の休みは何をしようかなあとかそういうことを考えていました。
電話対応の時はスピーカーモードにして他の仕事してたり。
たまには受話器を取って相づち打ったり。
というのも,そういう人とはある程度話をしたら,後は堂々巡りになってしまって話が進まなくなるんですね。
さすがにクレーマーと言えどもしゃべることが無限にあるわけではないので,ある程度言いたいことをしゃべりつくすとあとはリピートになります。
1回聞けば十分なので,2回も3回も聞く必要ないです。
真面目に聞いても精神が崩壊するだけ。
自分たちの心の健康も考えないといけないです。
つまりあとは耐久レースです。
余計なことは話さず,のれんに腕押し状態を維持します。
話が一巡した,2ターン目,3ターン目,4ターン目とターン数が増えるにつれてちょっとめげそうになりますが我慢です。
相手が疲れるのをひたすら待ちます。
相手も一応人間ではあるため,延々と話し続ければ疲れてきます。
疲れてきたところで・・・
トーンが落ちてきたのを見計らって,「このたびは大変でありました。**さんの話はよくわかったので,今日はもう帰った方がいいよ。」という趣旨のことを話すと,相手が疲れている場合は割とすんなり帰ってくれます。
私はこの持久戦が意外と得意で,時には数時間かけて相手が疲れるのを待ってなんとかしていました。
この耐久戦方式,クレーマー対応したことのある方ならけっこう同意してくれる方もいるのではないかと思うのですがどうでしょう?
また下記記事

のようにいったん切ることができる場合はそっちの方がいいのでそうしていました。
よく使っていたのは「もう夜も遅いし」「雨降ってきたし」などと適当な理由を付けて「またこっちから連絡するから今日はとりあえず帰れ」と言います。
で,ある程度クールダウン期間をおいて電話をしたらかなり落ち着いていることが多いです。
一線を越えてきたら毅然とした対応を
もちろん一線を越えてくる人にはそれなりの対応をしていました。
手を出してきたり脅してくればもちろん公務執行妨害です。
公妨になるようなものであれば,一般人の場合でも暴行,脅迫,強要になる可能性があります。
ですから一般の方の場合でもここまで来たら直ちに110番した方がいいです。
あといつまでも帰らない人の場合は,不退去罪で検挙するよと警告して追い出したこともあります。
まとめ
このように警察官をやっているとクレーマーには割とよく遭遇しますし,遭遇したらなんとかして対処しないといけないので,相手が何を言っても気にしないような鈍感力も警察官には必要です。
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